鉄骨造パネルゾーンの断面検定

鉄骨造の柱梁接合部は「鋼構造接合部設計指針」を参考に接合部パネルの検討を行います。

※ 検討結果はCSV出力のみ対応しています。メニュー「ファイル」→「データ変換出力」→「CSV出力」→「断面検定情報/断面検定表/柱梁接合部/S」から出力できます。

設計用パネルモーメント

接合部パネルモーメントは接合部に取り付く梁せいの差によって以下のように計算方法を切り替えます。

・梁せい差が150mm未満のときは標準形式として計算

・梁せい差が150mm以上のときは梁段違い形式として計算

[標準形式]

$_pM$ = ${_b}M_L+{_b}M_R-({_c}Q_U+{_c}Q_L) \cdot \frac{d_b}{2}$

$_bM_L$ : 接合部パネルの左側大梁のフェイスモーメント

$_bM_R$ : 接合部パネルの右側大梁のフェイスモーメント

$_cQ_U$ : 接合部パネルの上側柱のせん断力

$_cQ_L$ : 接合部パネルの下側柱のせん断力

$d_b$ : 梁フランジの板厚中心間距離

[梁段違い形式]

$ _pM $ = $ _ bM_H \cdot \left( \frac{d_{bL}}{d_{bH}} \right) +{_b}M_L-({_c}Q_U+{_c}Q_L) \cdot \frac{d_{bL}}{2} $

$_bM_H$ : 接合部パネルの梁せいが低い側の大梁のフェイスモーメント

$_bM_L$ : 接合部パネルの梁せいが高い側のフェイスモーメント

$_cQ_U$ : 接合部パネルの上側柱のせん断力

$_cQ_L$ : 接合部パネルの下側柱のせん断力

$d_{bH}$ : 梁せいが高い側の梁フランジの板厚中心間距離

$d_{bL}$ : 梁せいが低い側の梁フランジの板厚中心間距離

接合部パネル降伏モーメント

$_pM_y = \frac{V_e}{\kappa} \sqrt{(1-n^2)}\frac{Fy}{\sqrt{3}}$

$F_y$ : 接合部パネルの降伏強さ

上下に柱が存在する場合は下側柱、存在しない場合は存在する柱の降伏強さを採用します。

$n$ : 軸力比 $n = N / (F_y・A)$

$N$ : 上下階の柱軸力の平均値+ブレース軸力の鉛直方向成分

$V_e$ : 接合部パネルの有効体積

$κ$ : 形状係数

$A$ : 接合部パネルの断面積

ここで、 $V_{e,κ}$は以下の数式により算出します。

Veκ
H$V_e=d_c \cdot d_b \cdot t_p$$\kappa =\frac{1}{\frac{2}{3}+\frac{4b_c \cdot t_f}{d_c \cdot t_p}}+\frac{1}{1+\frac{d_c \cdot t_p}{6b_c \cdot t_f}}$
角型鋼管$V_e=2d_c \cdot d_b \cdot t_p$$\kappa =\frac{1}{\frac{2}{3}+\frac{2b_c}{d_c}}+\frac{1}{1+\frac{d_c}{3b_c}}$
円形鋼管$V_e=2d_c \cdot d_b \cdot t_p$$\kappa =\frac{4}{\pi}$