風荷重の計算
風圧力
風用節点重量
風圧力は、建築物の側面に対してX方向、Y方向についてそれぞれ別に働くものとし、風圧力をうける側面に存在している各節点に、節点荷重として作用させ応力解析を行います。
(1) 風圧力
速度圧と風力係数から、風圧力を計算します。
$W = Cf・q・A$ここで $W$ :風圧力(N)
$Cf$ :風力係数
$Cf = C_{pe}-C_{pi}$
風圧力係数は各階ごとで直接入力することもできます。作用方向が、左→右加力では左側を風上壁面Cf、右側を風下壁面Cfとし、右→左加力では左側を風下壁面Cf、右側を風上壁面Cfを用います。
$C_{pe}$ :建築物の外圧係数
部位 | 風上壁面 | 風下壁面 |
---|---|---|
Cpe | 0.8kz | -0.4 |
※係数"0.8"および"-0.4"は指定した数値を用います。
$C_{pi}$ :建築物の内圧係数(指定による)
$k_z$ :以下の表により、計算した数値
HがZb以下の場合 | 1.0 | |
---|---|---|
HがZbを超える場合 | ZがZb以下の場合 | $\left( \frac{Zb}{H} \right)^{2\alpha}$ |
ZがZbを超える場合 | $\frac{\int_{Zi}^{Zi+1}(\frac{Z}{H}) ^{2\alpha}dz}{Z_{i+1}-Z_i}$ |
図中2階のように2つの式にまたがる場合も平均のKzを求めます。
$Z$ :地盤面から各層床位置までの高さ(m)
$q$ :速度圧(N/m2)
$q$ = 0.6・E・V02
$V_0$ :基準風速(m/s)(指定による。)
$E$ :建築物の屋根の高さ及び周辺の地域に存する建築物その他の工
作物、樹木その他の風速に影響を与えるものの状況に応じた係数
で、以下の方法により算出します。
$E$ = $Er^2・Gf$
$Er$ :平均風速の高さ方向の分布を表す係数
$H$が $Z_b$以下の場合: $Er$ = $1.7(Z_b/Z_G)^α$
$H$が $Z_b$を超える場合: $Er$ = $1.7(H/Z_G)^α$
$H$ :建築物の高さと軒の高さとの平均(m)
GLからPH階を除く最上階の床高さ+パラペット高さの半分
$A$ :見付け面積(m2)
$Z_b$, $Z_G$, $α$ :地表面粗度区分から求まる係数で、以下の表によります。
表) 地表面粗度区分
地表面粗度区分 | Zb[m] | ZG[m] | α | |
---|---|---|---|---|
Ⅰ | 都市計画区域外にあって、極めて平坦で障害物が無いものとして特定行政庁が規則で定める区域 | 5 | 250 | 0.10 |
Ⅱ | 都市計画区域外にあって地表面粗度区分Ⅰの区域以外の区域(建築物の高さが13m以下の場合を除く。) 又は都市計画区域内にあって地表面粗度区分Ⅳの区域以外の区域のうち、海岸線又は湖岸線(対岸までの距離が1,500m以上のものに限る。以下同じ。)までの距離が500m以内の地域(ただし、建築物の高さが13m以下である場合又は当該海岸線若しくは湖岸線からの距離が200mを超え、かつ、建築物の高さが31m以下である場合を除く。) | 5 | 350 | 0.15 |
Ⅲ | 地表面粗度区分Ⅰ、Ⅱ又はⅣ以外の区域 | 5 | 450 | 0.20 |
Ⅳ | 都市計画区域内にあって、都市化が極めて著しいものとして特定行政庁が規則で定める区域 | 10 | 550 | 0.27 |
$Gf$ :ガスト影響係数
地表面粗度区分および $H$に応じて、次の表に掲げる数値とします。
表) 構造骨組用ガスト影響係数
H | (1) | (2) | (3) |
---|---|---|---|
地表面粗度区分 | 10m以下の場合 | 10mを超え、40m未満の場合 | 40m以上の場合 |
Ⅰ | 2.0 | (1)と(3)とに掲げる数値を 直線的に補間した数値 | 1.8 |
Ⅱ | 2.2 | 2.0 | |
Ⅲ | 2.5 | 2.1 | |
Ⅳ | 3.1 | 2.3 |
(2) 風圧力を受ける面と見付面積
風圧力を受ける面は、壁面(垂直面)とします。 屋根面および、地下階の壁、および外部袖壁、パラペットは考慮しません。
見付面積は、建物外周の通り芯間と梁天端間とからなる無開口壁が存在するものと仮定し、絶対座標系のX方向、Y方向それぞれについて、セットバックや軸振れなどの節点移動を無視した垂直面とします。