柱梁自重
柱梁自重の計算
RC梁・SRC梁
(1) 単位長さ当りの重量
鉄筋コンクリート(RC)・鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の大梁、小梁、片持ち梁の単位長さ当りの重量は、スラブの取付きにかかわらず下式により算定します。式中のコンクリートの単位体積重量( $γ$)は鉄筋、鉄骨重量を含みます。位置ごとに断面が異なる場合は中央断面を採用します。
仕上げ荷重は、部材・階ごとに指定できます注1)。 仕上げ形式は、 下図に示す四面仕上げとします。
$$ w_c = γ \cdot b(D-t)+w_f(b+2D) $$$γ$:コンクリートの単位体積重量(鉄筋・鉄骨重量を含む)(kN/m3)
$b$:梁幅(m)
$w_f$:仕上げ重量(kN/m2)
$D$:梁せい(m)
$t$:スラブ厚
上図の $t$はスラブ厚を指します。
種類 | 設計基準強度の範囲(N/mm2) | γC(kN/m3) | γRC(kN/m3) | γSRC(kN/m3) |
---|---|---|---|---|
普通コンクリート | Fc≦36 | 23.0 | 24.0 | 25.0 |
36<Fc≦48 | 23.5 | 24.5 | 25.5 | |
48<Fc≦60 | 24.0 | 25.0 | 26.0 | |
60<Fc≦80 | 24.0 | 25.0 | 26.0 | |
80<Fc≦100 | 24.0 | 25.0 | 26.0 | |
100<Fc≦120 | 24.0 | 25.0 | 26.0 | |
120<Fc≦150 | 24.5 | 25.5 | 26.5 | |
軽量コンクリート1種 | Fc≦ 27 | 19.0 | 20.0 | 21.0 |
27<Fc≦ 36 | 20.0 | 22.0 | 23.0 | |
軽量コンクリート2種 | Fc≦ 27 | 17.0 | 18.0 | 19.0 |
$γ_{C}$:コンクリートの気乾単位体積重量
$γ_{RC}$:鉄筋コンクリートの単位体積重量
$γ_{SRC}$:鉄骨鉄筋コンクリートの単位体積重量
注1) メインメニュー「荷重・材料」→「柱・大梁仕上げ」→「RC造(仕上重量)」参照。
異種強度においても同種強度梁と同様の方法(使用材料で指定する「床スラブ・梁のFc」を用いて比重を計算する)で計算します。
梁重量の算定に用いる梁の長さは以下のように計算します。
(2) 梁の長さ
大梁
・両端が柱の場合は柱面間距離とします。(大梁-1)
・片側が大梁の場合は梁面から柱面までの距離とします。(大梁-2)
・梁が斜めの場合は節点距離-両側の柱幅の合計/2とします。(大梁-3)
小梁
・両端の大梁面間距離とします。ただし、大梁と小梁が直交していない場合でも大梁と小梁の重複部分の長さは大梁幅の半分として計算します。
・小梁位置で大梁が分割されていて節点と小梁が接続している場合は、節点に接続する大梁の平均幅から重複部分を計算します。
片持ち梁
・柱面から片持ち梁先端までの距離とします。
RC・SRC柱
(1) 単位長さ当りの重量
RC・SRC造の柱の単位長さ当りの重量は、下式によります。式中のコンクリートの単位体積重量( $γ$)には鉄筋、鉄骨重量を含みます。
仕上げ荷重は部材・階ごとに指定できます(“RC梁・SRC梁”)。仕上げ形式は、下図に示す四面仕上げとします。柱頭・柱脚で断面が異なる場合は、柱脚の断面を採用します。
$w_c = \gamma \cdot A_c+w_f \cdot \phi$$γ$:コンクリートの単位体積重量(鉄筋・鉄骨重量を含む)(kN/m3)
$A_c$:柱断面積(m2)
$w_f$:仕上げ重量(kN/m2)
$φ$:仕上げ周長(m)
(2) 柱の長さ
柱重量算定に用いる柱長さは床上面から床上面までとし、柱重量は階の中央で上下階に振り分けます。RC・SRC造の柱において、下階に柱がない場合は、柱脚に取付く梁の最大せいの長さ(下図のハッチ部分)を柱長さに付加します。
鉄骨梁
(1) 単位長さ当りの重量
S造の梁の単位長さ当りの重量は、下式により算定します。仕上げ荷重は部材・階ごとに指定、耐火被覆重量および被覆厚は階ごとに指定できます注1)。仕上げ形式は下図に示す四面形式とし、耐火被覆形式は部材ごとに指定が可能です注1)。位置ごとに断面が異なる場合は中央断面を採用します。
$ w_s = \alpha \cdot \gamma_s \cdot A_s+\gamma_f \cdot \phi+\gamma_c \cdot A_c$$α$:鉄骨重量割増率
$γ_s$:鉄骨の単位体積重量( $γ_s$=77kN/m3)
$A_s$:鉄骨の断面積(m2)
$φ$:仕上げ周長(m)
$γ_f$:仕上げ重量(kN/m2)
$γ_c$:耐火被覆重量(kN/m3)
$A_c$:被覆材の断面積(m2)
(2) 梁の長さ
梁重量の算定に用いる梁の長さは以下のように計算します。
大梁
・節点間距離とします。(大梁1,2,3)
小梁
・節点間距離とします。
片持ち梁
・柱節点から片持ち梁先端までの距離とします。
注1) メインメニュー「荷重・材料」→「柱・大梁仕上げ」参照。
鉄骨柱
(1) 単位長さ当りの重量
S造の柱の単位長さ当りの重量は、下式により算定します。仕上げ重量、仕上げ形式、および耐火被覆形式の指定については、鉄骨梁と同様です。柱頭・柱脚で断面が異なる場合は、柱脚の断面を採用します。
$ w_s = \alpha \cdot \gamma_s \cdot A_s+\gamma_f \cdot \phi+\gamma_c \cdot A_c$$α$:鉄骨重量割増率
$γ_s$:鉄骨の単位体積重量( $γ_s$=77kN/m3)
$A_s$:鉄骨の断面積(m2)
$φ$:仕上げ周長(m)
$γ_f$:仕上げ重量(kN/m2)
$γ_c$:耐火被覆重量(kN/m2)
$A_c$:被覆材の断面積(m2)
(2) 柱の長さ
柱重量の算定に用いる柱長さは、RC柱と同様です。(“RC・SRC柱 柱の長さ”)
間柱型ダンパー
間柱型ダンパーの重量は上下節点に分配されます。ただし、画像右のダンパー(JFEシビル間柱型粘弾性ダンパー)は解析モデル上の中間節点にも重量が分配されます。
スラブ、片持ちスラブの荷重伝達
床荷重の伝達方向は、両方向、X方向、Y方向とします。荷重の伝達方向の指定は、床を配置する際に床ごとに行います。
〔XY〕 :両方向に伝達する。
〔X〕 :X方向に伝達する。
〔Y〕 :Y方向に伝達する。
- 床の重量は構造芯間の面積について計算します。小梁で構成された床組の重量は、小梁芯により区分された床面積について求めます。
- 大梁のCM0Q0は、床の荷重伝達方向と小梁による分割を考慮して算定します。
- 小梁負担分の荷重については、小梁のQ0がその小梁を支持する小梁または大梁に作用するものとして計算します。小梁自重も同様に扱います。
スラブ
(1) 両方向伝達の床割り
四辺を梁で囲まれたスラブについては、荷重の伝達方向が両方向の場合、床スラブから梁に加わる鉛直荷重は、1999年版RC規準10条により下図のようになります。具体的には、スラブに取付く梁は、梁の交点から描いた2等分線および梁に平行な直線から作られる台形、または三角形の部分の荷重を受けるものと見なします。
(2) 多角形の床組の適応
本プログラムは、以下に示す多角形の床組に適用しています。
〔五角形〕 〔三角形〕 〔台形〕
片持ちスラブ
(1) 片持ちスラブ
片持ちスラブの重量は、構造芯から片持ち床先端までの面積について計算します。
片持ちスラブの荷重は、片持ち梁の取り付きおよび先端リブ小梁の取り付きによって以下のように伝達されます。
・片持ち梁がない場合 : 全て大梁に伝達されます。
・片持ち梁がある場合 : 片持ちスラブが接続する大梁、片持ち梁に対してスラブと同様のルールにより分割して荷重伝達されます。
・片持ち梁と先端リブ小梁がある場合 : 片持ちスラブが接続する大梁、片持ち梁先端リブ小梁に対して スラブと同様のルールにより分割して荷重伝達されます。
先端リブ小梁がある場合はスラブ幅は片持ち梁の先端までと見なされます。
(2) 出隅の片持ちスラブ
スラブ荷重及び先端の線荷重の梁、柱への荷重伝達は以下のようになります。出隅の重量は、構造芯から出隅先端までの長方形について計算します。
出隅の片持ちスラブの荷重は、荷重伝達方向および片持ち梁の取付きに関わらず、節点荷重としてすべて柱に伝達します。
(3) 入隅の片持ちスラブ
本プログラムは、現状では入隅の片持ちスラブには対応しておりません。